
調査・解析・実験
FE-SEM/EDS-Raman結合システム
当社のFE-SEM/EDS-Raman結合システムは、走査電子顕微鏡による表面構造の観察、EDSによる元素分析、さらにラマン分光法による分子構造や結晶性の評価を一体化した総合分析システムです。これにより、同一視野において「形態」「元素」「化学情報」を同時に取得し、相関付けて解析することが可能となります。従来は別々に行っていた観察や測定を一度に行えるため、研究開発や不具合解析の効率化と精度向上に大きく貢献します。
サービス内容
アサヒテクノリサーチでは、FE-SEM/EDS-Ramanにて下記サービスをご提供致します。
FE-SEM/EDS-Raman分析
特徴
この分析手法の最大の特徴は、材料の構造・組成・化学状態を多角的に把握できる点です。例えば、電池材料や半導体デバイス、高分子複合材料の評価において、表面構造の変化や元素分布、分子構造の変化を同時に確認することが可能です。また、軽元素や大気に敏感な試料の解析にも対応しており、反応性材料や次世代材料の評価にも適しています。(正極、負極、固体電解質)
FE-SEM/EDS-Raman分析により、研究開発から不具合解析まで、効率的かつ高精度な材料評価が可能となり、より深い材料理解と新しい知見の獲得に貢献します。

EDSおよびRamanについて
機器の特徴
研究開発や材料評価、不良解析など幅広い用途に対応可能です。
①FE-SEM(JSM-IT810:JEOL製)
・ナノスケールの高分解能観察が可能
・低加速電圧で表面構造や微細形態を詳細に取得
②Windowless EDS(Gather-X:JEOL製)
・LiからUまで幅広い元素分析に対応
・微小領域の元素分布マッピングに有効
③Raman(RISE:Oxford Instruments製)
・SEMレベルの高倍率(3000倍程度)でのラマン分析により、化学状態・結晶性・応力などを評価
・EDSとRamanを同一視野での分析により、形態情報と化学情報を同時に取得可能
④充放電システム連携
・in-situでの充放電観察が可能
・電池材料の劣化や界面挙動をリアルタイムで評価
■従来の顕微ラマンとの違い
顕微ラマン | SEM/EDS-ラマン |
観察倍率:数十~数百倍レベル | 観察倍率:数十倍~数千倍レベル |
EDSが付属しないので、ラマンスペクトルのみの情報になる。 仮に後でEDS分析をしたくても、全く同じ位置をSEMで見つけてピンポイントに当てることは、ほぼ不可能 | ウィンドレス型EDSを搭載しており、観察視野のEDS分析及びラマン分析を全く同じ視野で行えるため、EDSとラマンスペクトルのデータが得られるため、複合的に考察することができる。 |
原則、大気暴露雰囲気での測定 | 大気非暴露で測定ができるため、負極材や硫化物系などの試料も測定可能。 |
原則、充放電しながらの測定は出来ない | オプションではあるが、insituでの充放電状態で観察が可能(ただし、真空系のため、電解液のあるものは対応不可) |
マッピングに数時間かかることと画像が荒いと言われることが多い | マッピング時間が数十秒から、数分程度でマッピングのドットは設定により細かくなるが、解像度(1インチのピクセル数)は倍率にもよるので数値化出来ないが従来のラマンマッピングに比べて細かく取れる。 |
試料加工
電池材料に特化した機材特性
大気非暴露(クライオ)での試料加工が可能
当社のFE-SEM Raman受託分析サービスでは、グローブボックスとクロスセクションポリッシャーを用いた大気非暴露加工 にも対応しています。
これにより、空気・水分・酸素に敏感な材料(リチウム電池材料、ナトリウム系材料、空気酸化しやすい金属薄膜など)を、環境変化による変質や劣化を防ぎながら試料断面を作製 することが可能です。
さらに、クライオ加工(冷却加工)を組み合わせることで、試料へのダメージを低減し、より信頼性の高い分析を実現します。

ガス循環精製装置付きパージ式グローブボックス

クロスセクションポリッシャー
受託分析
ご試供いただいた試料についてはお客様と協議を行い、ご要望される観察位置や着眼点について柔軟に対応いたします。
コンプライアンスを遵守いたします。ご相談下さい。
