コラム
分析の品質向上に向けて~50年の経験と最新技術の融合~
株式会社アサヒテクノリサーチは、分析の仕事を始めてから50年以上が経過しました。 分析の仕事は、お客様からの質の評価が難しいという特徴があります。 例えば、スマホであれば処理速度やカメラ性能、ホテルであれば設備や清潔さで品質を評価できますが、分析の品質は、分析値の正しさや分析方法の妥当性など、お客様には実感しにくいものです。
しかし、分析の品質は極めて重要です。 例えば、排水や排ガスでは法令を満足しているかの判断や、製品の品質検査では製品の出荷にも影響します。 我々の報告する分析値で、お客様は装置の導入や工程の変更、製品の回収まで行うこともあります。
そのため、弊社では分析の品質確保のために様々な取り組みを行っています。

項目・分野別の力量評価制度
一定の技能がないと分析できないようにしています。
分析者の技術向上は、品質確保において極めて重要な要素の一つです。
生データの確認制度とデータ承認制度
分析経験のある第三者により分析項目別に生データを確認して、分析データに異常がないか確認します。
生データを確認後、他の項目との相関等を踏まえて総合的に全データを承認しています。
データの信頼性を確保するための重要なプロセスです。
分析計データと入力データの自動転送
転記ミスを防ぐため、分析計のデータや入力データをPCに接続して自動転送し、人による転記や入力はしないようにしています。
過去データとの比較システム
同じ場所や製品サンプル、あるいは種類が似ているサンプルの過去データと比較できるシステムです。 過去の分析データをデータベース化し、そのデータベースの値と比較して自動で分析値の妥当性を評価するシステムを構築しています。 このシステムにより、分析値に疑義がある場合は再分析を行い、場合によっては分析方法や分析者を変えて確認しています。
分析室の可視化
昨年5月に竣工した新社屋では、ガラス張りの分析室を見学できるようになりました。
高い品質と共に可視化により分析の信頼を得ることを目指しています。

これらの取り組みにより、弊社では分析の長年の経験から高い品質を維持しています。 今後も、お客様に信頼いただける分析結果を提供できるよう、技術向上に努めてまいります。